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2016/08/01

落巣ヒナがいた

サッカーの試合から帰ってきた息子を駅まで迎えにいって、帰ってくるとちゅう、家のちかくの路上に息子が落巣してしまったらしいスズメのヒナを見つけた。

落巣ヒナ、私は初めてでどうしたらいいかぜんぜんわからない。両手をべったり広げていて折れてしまっているようにも見える。

近くに動物病院があるが土曜の夕方で開院時間外だろう、ネットで助ける方法を調べるもあわててしまってどうしたらいいかの情報にたどりつけない。

夫が子どものころから生き物の好きな人なので電話するもつながらない。

つながらないねえなどと話していると、大きな柴犬を散歩させている黄色いシャツをきた70歳くらいのおじいさんがきて止まった。でかい声なのだがよぼよぼとしたしゃべり方でなにを言っているのかよくわからない。

・おれは巣からおちた鳥はよく助けているんだ
・拾ってそのあたりの生垣の下にいれろ
・元気になったら飛んでいくから
・あとはその辺に動物病院があるからつれていってもいいだろう

のようなことをおっしゃっているようで、しかしどうでもいいのだがかわいい犬がこわい。犬はなぜか頭の上にご飯粒をひとつぶ乗せていてかわいいのだがヒナを凝視しているこわい。

わかりましたここは私たちでなんとかしますからかわいいワンちゃんを離していただけないでしょうかとお願いするも、おじいさんは手綱があるんだから大丈夫だと離れてくれない。とにかくつかまえろよといよいよどなるので、私もどうしたらいいかわからず私よりも運動神経のいい息子につかまえてみてといった。

息子が戸惑いながら確保しようとすると、ヒナはすばやく歩いて移動した。骨折れてなかった、歩けるんだ、このタイミングで夫からコールバック、もはやそんな場合ではないのだがすがる思いがあったのか電話をとってしまった。ヒナは息子から逃げて移動していく、とにかく犬をどこかへやってほしい。

電話を耳にあてたまま私は叫んだ「犬を(遠くに)はなしてください!」だけはいえたと思う。あとは「ぎゃあ」「ぎゃあぎゃあ」叫んだ。

電話口の夫がどうしたんだよと笑って、犬がヒナを食べた。

おじいさんはたしか「こら!○○!」と犬の名を呼んでしかったと思う。そして犬が吐き出したヒナを、おい、拾えよと息子に。
息子はヒナを拾った。生垣にいれろとおじいさんにいわれ、近くの生垣に入れた。
私はそれを少し離れてみていた。

おじいさんは、ぎゃあぎゃあさわぐんじゃないよヒナなんてあっちこっちに落ちているんだから、というようなことを(やはり何を言っているのかよくわからないのだが)私にいった。

とにかくおじいさんから離れたくて、息子の肩をだいてすぐそばの家に帰ろうとすると、おじいさんがついてきた。表札を見て、ふーん、こがさんねと言う。ちょっと照れているようにも見えた。

息子と玄関で両手をつないでヒナどうだったというと「ヒクヒクしてた」という。2人で少し泣いて、やっぱりまだ生きてるんだからなんとかしないとと玄関を出ると生垣にヒナはもういなかった(猫に食べられてしまったか)。

とにかくまずはヒナにごめんという、私の機転がきかなかったのと知識がなかったのはすごく反省する。けれどこれ多分かかわった人は誰も悪くなくて息子や犬はもちろん悪くない、おじいさんもなんとかしようとしたのだし、悪いかどうかといえば悪くなかったと思う。

しかしヒナは死んでしまった、このはなしを後日友人にしたら「全員悪い」といっていて、ああそうかと思った。全員悪くて全員悪くない話なのかもしれない。

それで、息子に夏休みの自由研究は、もしこんど落巣ヒナを見つけたらどうすれば最善なのかを調べたらどうかと提案したが「おれは台風について調べたいから」ということだった。

そんなら私が研究しとこと思っていまいろいろ調べてます。

久しぶりの更新になりましたが元気にしてます。
デイリーポータルZでは最近は不定期に書いてます。
ツイッターはまめにツイートしています(@eatmorecakes)。
動画シリーズの「なんでもレンジでチンする会」に出ています。

あとはYouTubeLiveで夜に家からぼんやりした雑談の配信などしたいなと思っています。

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